洗顔のあと、タオルでゴシゴシ拭いていませんか?摩擦がくすみと乾燥を招くしくみ
洗顔後にタオルでこすったり、コットンを強く滑らせたりしていませんか。皮膚科のガイドラインをもとに、摩擦が乾燥やくすみを招く理由と、こすらない洗い方・拭き方を整理します。

洗顔のあと、タオルで顔をゴシゴシ拭いていませんか。汗ばむ季節は洗顔や汗拭きの回数そのものが増えるため、肌に触れる機会も自然と多くなります。化粧水をコットンになじませるとき、つい力を込めてしまうこともあるはずです。実はその「こする」動作こそが、乾燥やくすみを長引かせている場合があります。今夜から変えられる、肌への触れ方を整理します。
先に結論
- 洗顔は指の腹で泡を転がすように洗い、タオルやスポンジでこすらない12
- 拭くときはタオルを軽く押し当てて水分を吸わせる。ゴシゴシ拭き取らない12
- コットンや手で化粧水をなじませるときも、肌の上を滑らせず、置くように触れる
なぜ摩擦がよくないのか
肌の一番外側にある角層は、うるおいを保ち、外からの刺激をふせぐ薄い壁のような層です。ここに毎日こすれる刺激が加わると、壁としての働きが少しずつ乱れていきます。
摩擦性の皮膚トラブルを整理したレビューでは、摩擦の強さによって肌に起きることが変わると報告されています3。弱い刺激が繰り返されると角質が厚くなってごわつき、さらに刺激が続くとバリア機能そのものが乱れていきます。頬骨のように骨が出っ張った部分を手やハンカチで強くこする習慣が続くと、その部分だけ黒っぽい色素沈着が生じることもあると報告されています3。乾燥やくすみが「こすった部分」に偏って出ているように感じるときは、こすれ方の癖が関わっている可能性があります。

もちろん、1回こすったからすぐに何か起きるわけではありません。問題は「毎日・同じ場所に」積み重なることです。洗顔・拭き取り・コットンでのケアは、1日に何度も肌に触れる場面だからこそ、触れ方の癖が積もりやすいところでもあります。
洗いすぎにも同じことが言えます。皮脂や汗が気になるからと洗う回数を増やすと、そのぶん肌に触れる回数も増え、洗浄と摩擦の両方の負担が重なります。汚れが気になる日でも、洗う回数を増やすより、1回ごとの洗い方を見直すほうが肌への負担は小さく済みます。
どうすればいいのか
皮膚科の診療ガイドラインや、皮膚科医向けの患者ケア指導では、洗浄と拭き取りについて共通した考え方が示されています。強くこすって汚れを落とす必要はなく、泡でなでるように洗い、拭くときもやさしく行うことが基本です12。
- 洗う:タオルやスポンジではなく指の腹を使い、泡を転がすように洗う。こすらなくても、洗浄成分が汚れを浮かせてくれます12
- 拭く:清潔な柔らかいタオルを肌に軽く押し当て、水分を吸わせる。ゴシゴシ動かして拭き取らない12
- なじませる:化粧水や乳液は、手のひらで包み込むように。コットンを使うときも滑らせず、置くように動かす
- 回数:洗顔は朝晩の2回と、汗をかいたときまでにとどめる。洗う回数が増えるほど、こすれる機会も増えます2

どれも今夜の洗面所からすぐに試せる範囲です。道具を変えるより先に、同じ道具をどう動かすかを見直すだけで、肌に加わる刺激の総量は変えられます。洗顔料やコットンを新しく買い足す必要はありません。
よくある勘違い
「しっかり洗わないと汚れは落ちない」
汚れは、洗浄成分が浮かせて洗い流すものです。力を込めてこすらなければ落ちない、というものではありません1。むしろ強くこすることは、汚れを落とす力ではなく、肌への刺激を増やす方向に働きます12。
「コットンでパッティングした方がよく浸透する」
化粧品がうるおいを届けられるのは角層までで、パッティングの強さでその先まで届くようになるわけではありません。それよりも、コットンを肌の上で滑らせる動きそのものが摩擦になりやすい点に注意が必要です。使うときは滑らせず、軽く押し当てるように動かすと、摩擦を増やさずに済みます。
まとめ
出典
記号は根拠の強さです。S = 系統的レビュー・公的機関の一次資料、A = ランダム化比較試験、B = 査読付きの総説・観察研究。
- 3BCurrent understanding of frictional dermatoses: A reviewIndian Journal of Dermatology, Venereology and Leprology・2023
- 摩擦
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