日焼け止め、秋はいつまで塗る?やめどきの決め方
涼しくなると迷う日焼け止めのやめどき。気象庁の観測値では、つくばの紫外線が「弱い」区分に落ちるのは11月からで、10月は春の3月とほぼ同じ強さです。地域と天気でどう変わるかを整理します。

朝晩が涼しくなると、日焼け止めを塗る手が止まります。もう夏ではないし、日差しも弱い気がする。
でも、肌が浴びている紫外線の量は、気温とは別のものさしで動いています。やめどきを体感で決めると、たいてい早すぎます。
気象庁が毎日測っている数字があるので、それで決められます。
先に結論
- ふつうの日で見ると、つくばの紫外線が「弱い」区分に入るのは11月から。10月まではまだ対策の範囲です12
- 10月の強さは3月とほぼ同じ。春に塗り始める時期と変わりません2
- よく晴れた日の正午は別ものです。11月でも那覇は「強い」、つくばは「中程度」に届きます4
- やめるかどうかで考えず、数値を落とす。日常の買い物なら高い数値はいりません8
「弱い」まで落ちるのは、11月から
紫外線の強さには、UVインデックスという世界共通の目盛りがあります。肌に赤い日焼けを起こす力を0〜11+の数字にしたもので、環境省は次のように区分しています1。
- 1〜2「弱い」── 安心して戸外で過ごせる
- 3〜5「中程度」/6〜7「強い」── 日陰を利用し、長袖シャツ・日焼け止め・帽子を使う
- 8以上「非常に強い」── 日中の外出を控える
つまり、日焼け止めが目安として登場するのは3からです。
気象庁がつくばで観測している「日最大UVインデックスの月平均値」を、2021〜2025年の5年ぶんで平均すると、こうなります2。

9月は5.7。真夏より下がってはいますが、「中程度」の上のほうにいます。10月で3.6。目盛りの3を割るのは、11月(2.4)からです。
「涼しくなったから」という体感より、1か月ほど遅れてやめどきが来る、という形になります。
10月は、春に塗り始める3月と同じ
同じ表を春側から見ると、見え方が変わります。3月が3.7、4月が5.2です2。
- 9月(5.7)── 4月と5月のあいだ
- 10月(3.6)── 3月とほぼ同じ
春に「そろそろ塗ろうか」と思う時期と、秋に「もういいかな」と思う時期は、紫外線の強さでいえば同じ場所にあります。春は暖かくなる途中なので身構えるのに、秋は涼しくなる途中なので気がゆるむ。その差だけです。
年間の紫外線量のうち、4〜9月に集中するのは70〜80%とされています3。裏を返すと、残りの20〜30%は10月から3月のあいだに降ってきます。ゼロになる月はありません。
よく晴れた日の正午は、平均より高い
ここまでの数字は月の平均です。曇りの日も雨の日も混ざっています。
環境省のマニュアルには、その月でいちばん強かった日を時刻別に平均した表も載っています(2005〜2017年)。正午の値を並べると、地域差がはっきり出ます4。

10月のよく晴れた日、那覇の正午は9.1。「非常に強い」区分です。つくばでも5.9で、真夏の平均に近い。11月になっても那覇は6.4で「強い」のままです。
一方で札幌は、11月には1.8まで落ちます。やめどきは住んでいる場所で1〜2か月ずれる、ということです。沖縄と北海道では、年間に浴びる紫外線量が2倍ほど違います4。
天気で判断するのも、あまり当てになりません。薄い雲は紫外線の80〜90%を通します。日陰にいても、日なたの半分は届きます。アスファルトやコンクリートからの照り返しも1割ほど加わります5。
その日の実際の強さは、気象庁の紫外線情報で分布図として見られます6。迷ったら体感ではなくこちらを見るほうが早いです。
「毎日」と「必要なときだけ」を比べた試験
ここまでは紫外線の量の話でした。では、塗り続けることで何が変わるのでしょうか。
オーストラリアで、55歳未満の成人903人を無作為に分けた試験があります。「毎日塗る」グループと「自分の判断で必要なときだけ塗る」グループを4年半追いかけ、手の甲の皮膚の型を取って、割り付けを知らない評価者が老化の進み方を判定しました7。
結果は、毎日塗ったグループのほうが、老化の進み方が24%少ないというものでした(相対オッズ0.76、95%信頼区間0.59〜0.98)。毎日群では、4年半のあいだ進行が検出されていません。
ただし条件は添えておきます。南緯26度のオーストラリア、1992〜1996年、対象は中年層です。日本の秋にそのまま当てはまる数字ではありません。論文自身も、欠測データと検出力の低さを限界に挙げています。
それでも、比べられたのが「毎日」と「必要なときだけ」だったことには意味があります。秋に塗るのをやめるという選択は、この試験でいう後者に近づくことだからです。
やめるのではなく、落とす
とはいえ、真夏と同じ構えを1年中続けるのは現実的ではありません。環境省のマニュアルも、そこは分けて書いています8。
「日焼け止めは、いつ、何をする時に使用するかによって選びましょう。日常の洗濯物を干したり買い物をしたりするためならば、それほど数値の高くない日焼け止めで十分です」。一方で、炎天下のスポーツやハイキング、海水浴のように長時間外にいる場面では高い効果のものを、と書き分けられています8。
日焼け止めと書かれていなくても、日中用の乳液やクリームにSPF・PAの表示があれば同じように使えます8。秋は、塗るのをやめる季節ではなく、数値を落として続ける季節と考えるほうが合っています。

もうひとつ、公平に書いておきたいことがあります。ビタミンDをつくる紫外線の波長は、日焼けを起こす波長とほぼ同じです。環境省のマニュアルは、SPF30の日焼け止めを塗ると皮膚でのビタミンD産生が5%以下に落ちると書いたうえで、「この両方を上手に秤にかける必要があります」としています9。
必要な日光浴の時間は地域・季節・時刻・服装・肌の色で変わるため、何分と一律には言えません9。顔には塗り、手や腕は季節に応じて、という程度の落としどころで十分です。
まとめ
- 日焼け止めの目安はUVインデックス3から。つくばでは10月まで3を超えています12
- 10月の強さは3月と同じ。春に塗り始める時期と変わりません2
- よく晴れた日の正午は月平均よりずっと高く、11月の那覇は「強い」区分に残ります4
- 薄い雲は紫外線の80〜90%を通し、日陰でも半分は届きます。天気で決めない5
- 毎日と必要なときだけを比べた試験では、毎日のほうが4年半後の老化の進み方が24%少なくなっています7
- 秋はやめる季節ではなく、数値を落として続ける季節です8
今夜できるのは、手持ちの日焼け止めのSPFとPAを一度見ておくことです。真夏用の1本しかないなら、朝の外出用に数値の低いものを1本足す。それだけで、10月の朝に塗るかどうかを迷わなくなります。
出典
記号は根拠の強さです。S = 系統的レビュー・公的機関の一次資料、A = ランダム化比較試験、B = 査読付きの総説・観察研究。
- 5S紫外線環境保健マニュアル2020 p.5 図1-3(紫外線の性質・反射と透過)環境省(WHO『Protection against exposure to ultraviolet radiation』1995 ほか)・2020
- 7ASunscreen and prevention of skin aging: a randomized trialHughes MC, et al. Ann Intern Med 158(11):781-90(RCT/成人903人・4.5年・オーストラリア)・2013
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