唇の皮、むいていませんか?冬、荒れが続く原因と守り方
唇から逃げていく水分は、頬のほぼ3倍という測定があります。なめる・むくくせや、刺激のあるリップが荒れを長引かせることも。米国皮膚科学会の指針と日本皮膚科学会のガイドラインから、リップの選び方と塗り方を整理します。

空気が冷たくなると、唇がカサついて皮がめくれてきます。気づくとなめていたり、指で皮をむいていたりしませんか。リップを塗っているのに、荒れが何週間もくり返す人もいるはずです。
この記事では、唇が乾きやすい理由と、荒れを長引かせる習慣を整理します。リップの選び方と塗り方、皮膚科に行く目安まで、米国皮膚科学会の指針と日本皮膚科学会のガイドラインをもとに紹介します。
先に結論
- なめない、かまない、皮をむかない。なめたくなったら、代わりにリップを塗る1
- 荒れている間は、香料やメントール、カンフルなど、スーッとする成分の入ったリップを休む1
- 日中は何度か塗り、寝る前は白色ワセリンなど油分の多いものを厚めにのせる1
- 2〜3週間続けても変わらなければ、皮膚科で原因を見てもらう1
唇はもともと乾きやすく、なめるとさらに乾く
唇の赤い部分は、口の中の粘膜に近い皮膚が、外に出たままになっている場所です2。顔のほかの場所とは、つくりが違います。
日本人女性303人の唇と頬を、冬に測った研究があります2。唇から逃げていく水分の量は頬のほぼ3倍で、表面のうるおいは頬の約3分の1でした2。頬はもともと、体のなかでも水分が逃げやすい場所です2。
唇の表面の細胞は、肌をおおう角層(水分の蒸発を防ぐ薄い層)になりきっていません2。研究では、これが唇の乾きやすさの原因と考えられています2。

乾いた唇をなめると、一瞬だけ楽になります。けれど唾液が蒸発するとき、唇はなめる前よりさらに乾きます1。唾液には消化を助ける酵素も含まれていて、唇を守る働きを弱めるとされています3。
こうして「乾く、なめる、もっと乾く」のくり返しに入ります3。なめるのは無意識のことが多く、自分では気づきにくいくせです3。

めくれた皮をかんだり、指でむいたりするのも刺激になり、良くなるのを遅らせます1。くり返すうちに、皮がむけては厚くなる状態が続くこともあります3。10代から20代くらいの女性に多いという報告もあります3。
対策は、なめたくなったらリップを塗ることです1。寝ている間に口で息をしている人は、寝室に加湿器を置くことも勧められています1。部屋の湿度の目安は「加湿器で肌の乾燥は防げる?冬、部屋の湿度の目安」で紹介しています。
荒れている間は、香りとスーッとする成分を休む
塗ったときのヒリヒリやピリピリは、成分が効いている合図ではありません。米国皮膚科学会は、しみたり焼けるように感じたりする製品は、使うのをやめるよう勧めています1。
荒れている間に避けたい成分として挙げられているのは、次のようなものです1。パッケージの裏の成分表示で探せます。
- 香料(シナモンや柑橘、ミントなどの香りづけを含む)
- メントール、カンフル、ハッカ油、ユーカリ油
- ラノリン
- サリチル酸、フェノール、没食子酸プロピル
- 紫外線吸収剤のオキシベンゾン-3、メトキシケイヒ酸エチルヘキシル
反対に、唇を落ち着かせる助けになるとされるのは、ワセリンやミネラルオイル、シア脂、セラミド、ジメチコンなどです1。選ぶなら、香料の入っていないものにします1。

唇のかぶれ(接触皮膚炎)の主な原因は、口紅やリップクリームなどの化粧品と、食べ物です4。新しいリップや口紅に替えてから荒れ始めたなら、まずそれを疑います。
長引く唇の荒れで、皮膚科のかぶれの検査(パッチテスト)を受けた人の記録もあります。アメリカの91人では45%、オーストラリアの91人では17%が、触れたものへのアレルギーによるかぶれと分かりました56。原因で多かったのは、香料や本人が使っていた製品です56。
塗るのは「日中こまめに」と「寝る前に厚く」
リップは、乾いたと感じてからではなく、1日に何度か塗ります1。寝る前にも塗っておきます1。
ひび割れるほど乾いているときは、白色ワセリンのような軟膏を厚めにのせます1。軟膏は、ワックスやオイルより長く水分を閉じ込めるとされています1。
外に長くいる日は、出かける前にSPF30以上のリップを塗り、外では2時間おきに塗り直します1。紫外線を防ぐ成分は、酸化亜鉛か酸化チタンのものが勧められています1。冬でも、雪の上では紫外線が強まります。新雪は、紫外線の80%をはね返します7。
続けると、2〜3週間で目に見えて変わってくるのが目安です1。
2〜3週間で変わらなければ、皮膚科へ
ケアを続けても2〜3週間で変わらないときは、皮膚科で見てもらいます1。唇の荒れには、乾燥のほかにも原因があるからです。
米国皮膚科学会は、アレルギーやカンジダ(カビの一種)、紫外線による変化(光線性口唇炎)を挙げています1。どれも見た目がよく似ていて、皮膚科でも見分けるのが難しいとされています8。
次のようなときは、早めに受診します。
よくある勘違い
「スーッとするほうが、効いている気がする」
清涼感のある成分は、塗った瞬間の気持ちよさをくれます。けれど米国皮膚科学会は、荒れている間はメントールやカンフル、ミントを避けるよう勧めています1。
ヒリヒリやピリピリを「成分が効いている合図」と受け取るのは、よくある取り違えだとも書いています1。荒れている間は、塗ってもしみないものを選びます1。
「落ち着いたら、リップはもう要らない」
唇は、顔のほかの場所より水分が逃げやすいつくりのままです2。米国皮膚科学会は、落ち着いたあとも空気が乾いている間は、室内でも外でもリップを塗り続けるよう勧めています1。
ぶり返しを防ぐために、冬の間はリップを手放さないようにします。
まとめ
出典
記号は根拠の強さです。S = 系統的レビュー・公的機関の一次資料、A = ランダム化比較試験、B = 査読付きの総説・観察研究。
- 2BFunctional properties of the surface of the vermilion border of the lips are distinct from those of the facial skinBr J Dermatol(PMID 15030342)・2004
- 3BArt of prevention: Practical interventions in lip-licking dermatitisInt J Womens Dermatol(PMID 33898702)・2020
- 8BCheilitis: A Diagnostic Algorithm and Review of Underlying EtiologiesDermatitis(PMID 38422211)・2024
- 乾燥
- 保湿
- 冬
- 唇
手持ちのコスメで、今夜のケアを組み直す
Cura は、あなたが持っているコスメだけで今夜と明朝のルーティンを組み立てる アプリです。成分の重複や相性は AI が判定します。


