ダブル洗顔、毎晩2回とも必要?落とすもので変わる夜の洗い方
クレンジングのあとに、もう一度洗顔料。2回とも必要かどうかは回数ではなく、その日つけたもので決まります。環境省と業界の公式Q&A、洗ったあとの残り具合を測った試験から整理します。

メイクを落としてから、洗顔料でもう一度洗う。いわゆるダブル洗顔です。日焼け止めしか塗っていない日も、なんとなく2回洗っている人は多いと思います。2回とも必要かどうかは、実は回数の問題ではありません。その日、顔に何をのせたかで決まります。公的な資料と、洗ったあとの残り具合を測った試験から整理します。
先に結論
- クレンジングと洗顔料は落とす汚れが違う。だから「2回」ではなく「油性のものをのせたか」で決まる3
- ウォータープルーフの日焼け止めや落ちにくいメイクは、水性の洗顔料だけでは落ちきらないものがある24
- 耐水性でない日焼け止めなら、洗顔料かクレンジングのどちらか一方で落ちていたという報告がある4
- 最後は製品の使用説明が正。「W洗顔不要」と書かれているならそれに従ってよい2
クレンジングと洗顔料は、落とすものが違う
化粧品公正取引協議会の説明は簡潔です。クレンジング(メーク落とし)はメークアップを、洗顔料はホコリ・汗・皮脂などの汚れを落として、肌を清潔に保つ化粧品3。
担当が分かれています。メイクや日焼け止めは、汗や水で流れ落ちないように作られた油性のもの。いっぽう洗顔料が得意なのは、水になじむ汚れです。
油性のものが水性の洗浄剤で落ちにくいことは、皮膚科の診療ガイドラインにも出てきます。アトピー性皮膚炎診療ガイドライン2024は、ワセリンなど油脂を基剤とする軟膏の残りは石けんや洗浄剤では除去されにくいことがあり、その場合は気になる部分にオリブ油などを塗って残りを処理することを検討する、と書いています6。油は油で溶かすほうが早い、ということです。
クレンジング料も同じ考え方でできています。ですからダブル洗顔は「洗顔料を2回使うこと」ではありません。油性のものを溶かし出してから、水になじむ汚れを洗う、という2段構えのことです。

洗顔料だけでは、どこまで落ちるのか
では、クレンジングを飛ばして洗顔料だけで洗うと、日焼け止めはどれくらい残るのでしょうか。2020年に報告された試験が、実際に測っています4。
20人の顔に日焼け止めを塗り、専用のカメラで撮影して、洗ったあとにどれだけ残っているかを画像解析で比べたものです。条件は、水だけ・泡タイプの洗顔料・クレンジングオイルの3つ。
耐水性のない日焼け止めでは、残っていた割合が水だけで54.0%、洗顔料で15.6%、クレンジングオイルで13.4%でした。塗る前の状態が9.9%で、洗顔料もクレンジングオイルも、塗る前と統計的な差はありませんでした4。どちらか一方で足りていたことになります。
ウォータープルーフの日焼け止めでは結果が変わります。水だけで59.3%、洗顔料で36.8%、クレンジングオイルで5.8%。塗る前が3.2%で、そこと差がなかったのはクレンジングオイルだけでした4。

20人の試験で、使った製品もそれぞれ1種類です。すべての日焼け止めに当てはまる数字ではありません。ただ「耐水性かどうか」で落ち方が変わることは、この開きに表れています。
この試験には、もうひとつ見ておきたい報告があります。洗ったあとに肌の乾燥を訴えた人が、洗顔料の側で8人、クレンジングオイルの側で1人でした4。落ちにくいものを洗顔料で落とそうとすると、強く洗うか長く洗うことになります。そのぶんの負担は肌の側に出ます。
公的な資料は「製品の説明を見なさい」と言っている
日焼け止めの落とし方について、環境省の紫外線環境保健マニュアル2020にQ&Aがあります。「毎晩一日の汚れを落とすように、日焼け止めも落としましょう」。そのうえで、耐水性の高いものには専用クレンジングで落とすよう説明文に明記されていることもあるが、多くはメーク落としを使って「溶かしだすようにやさしく洗ってください」と書かれています1。
日本化粧品工業会のQ&Aも同じ向きです。汗や水に強い日やけ止めやメークアップは耐水性に優れているため、石けんや洗顔フォームなどの水性の洗顔料で洗っただけでは完全に落とせないものもある。そして落とし方については「それぞれの使用説明をよく確認してください」2。
答えは製品ごとに書いてある、ということです。「W洗顔不要」とあるならそれに従ってよく、書かれていないなら2段構えを前提にした製品だと考えるほうが自然です。一般論より、手元の容器のほうが正確です。
目のまわりだけは別に考えます。涙や汗に強いウォータープルーフのアイメイクには、ポイントメーク専用やウォータープルーフ専用のクレンジングを使うようすすめられています5。顔全体のクレンジングで、無理にこすり落とすところではありません。
今夜、どちらにするか

どの日にも共通することが3つあります。
- 1.洗顔料はよく泡立てて、こすらない洗い方で汚れを落とす7
- 2.洗浄剤が肌に残らないよう、十分にすすぐ7
- 3.クレンジングも長く肌にのせない。ガイドラインは、化粧落としのクレンジングが皮膚への刺激になることもあると書いています8
携帯用の拭き取りタイプは、外出先や旅行のためのものです3。毎晩の主役にはしないほうがよいでしょう。
よくある勘違い
「2回洗うほうが清潔で、肌にもいい」
クレンジングのあとに洗顔料を使う場合と、使わない場合を直接比べた臨床試験は、探しても見つけられませんでした。「2回のほうがいい」も「1回で足りる」も、試験で決着しているわけではありません。
決められるのは「その日のせたものが落ちる方法かどうか」だけです。そして増やす側にも代償があります。ガイドラインはクレンジングが刺激になることもあると書いており8、先の試験では洗顔料の側で乾燥の訴えが多く出ていました4。
「日焼け止めは水やぬるま湯でも落ちる」
先の試験では、耐水性のあるなしにかかわらず、水だけでは半分以上が残りました4。「石けんで落ちる」と書かれている製品も、石けんを使う前提の話です。
「クレンジングだけで済ませれば1回で終わる」
耐水性でない日焼け止めなら、それで足りていたという報告があります4。ただしクレンジング料そのものが肌に残ると、それが刺激になりえます。ガイドラインは、すすぎ残しや過度の使用で刺激性皮膚炎(かぶれの一種)を起こすこともあると書いています8。1回で終える日も、すすぎは省けません7。
まとめ
出典
記号は根拠の強さです。S = 系統的レビュー・公的機関の一次資料、A = ランダム化比較試験、B = 査読付きの総説・観察研究。
- 4BThe optimal cleansing method for the removal of sunscreen: Water, cleanser or cleansing oil?Chen W, et al. J Cosmet Dermatol 19(1):180-184(臨床試験・被験者内比較/20人)PMID 31157512・2020
- クレンジング
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